テクノとは?

テクノって何?テクノとは?と思われるかもしれません。

起源は、1983年にデトロイト州に住むホアンアトキンスが「これをテクノと呼ぶ」という宣言により始まった音楽です。彼はなんとYMOに憧れて作曲をしていたという。国内ではYMOを中心とし1970年代後半にニューウェイブブームが起こっていましたが、後にテクノポップ(テクノ+ボーカル)という呼ばれ方をされています。

後に日本のテクノ黎明期にtecを持ち込んだのは電気グルーヴであり石野卓球氏です。そこにソニーテクノがムーブメントを仕掛けてミックスアップで、ケンイシイも田中フミヤにも国内で火がつきました。
さて、主観で20年以上聴いてきた店主が思うテクノは電子音によるキック音が4つ打ちでドスドス、スネアとハイハットによりドンチンパンチンとドラムに例えるとこういったリズムがボーカル無く繰り返されBPMは100~130程度。展開も小さいサビがある程度の音楽。と捉えています。自分的にはデトロイト、ミニマル、ハード、アシッドあたりがテクノと思っています。ハウスとの対比について曲の構成にボーカルのあるテクノもボーカルの無いハウスもあります。実はこの辺りは所属しているレーベルだったりリリースされたのちに店頭やWEBで販売される際のジャンル表記によってテクノと判断されていることも多いです。つまりは、発信者(作曲者がテクノと言えば従う的な・・)次第なのです。例えばですが、テクノの源泉であるデトロイトテクノのThe Belleville Three(ベルビルスリー)のメンバーであるデリック・メイ(他メンバー:ホアンアトキンス・ケヴィンサンダーソン)の名曲であるストリングスオブライフ(1988年)についてはテクノとされていますが、私の中ではどうしてもハウスです。つまりは製作者の魂といいますかソウルがテクノなのであれば世間がみるジャンルは、テクノなのだと思っています。

90年代当時には様々なアーティストがテクノのジャンルで活躍されています。国内ですとHIPHOPのパイオニアであるDJ KRUSHがテクノイベントにテクノセットとして度々出演されていました。20年続けてらっしゃいましたが、2019年初めに残念ながら終了されヒップホップ・アブストラクトへ戻られました。この当時、テクノ+レゲエ=ジャングル(代表アーティスト:ジャングルブラザーズ)、テクノ+ヒップホップ=アブストラクト(代表アーティスト:DJ SPOOKY)、テクノ+ノイズ=イルビエント(代表アーティスト:パナセア)、テクノ+ロック=デジタルロック(代表アーティスト:ケミカルブラザーズ)、テクノ+ポストロック=ビッグビート(代表アーティスト:ファットボーイスリム)などなど電子音+他ジャンルがムーブメントとなりDJ達は、他ジャンルをかけるスタイルがクラブシーンでは定着してきた時期でした。私自身もそれをきっかけに他ジャンルのルーツを辿るようになりダブ界のドンであるリーペリーにも出会い、灰野敬二も聴くようになりました。音楽が好きになれて良かった!

世界で活躍する女性テクノDJたち

DJ Nina Kravitz(ニーナ・クラヴィッツ)
シベリア地方出身でモデルとしても活動する彼女は、現在世界でNo.1の女性テクノDJである(出演オファー数が最多)。2019年10月現在、インスタグラムのフォロワーは135万人を超えている。彼女のデビューのきっかけは、2006年にメルボルンで開催されたレッドブル・ミュージック・アカデミーに生徒として参加した際にGreg Wilsonにデモを渡したことだった。2007年に初の12インチを彼のレーベル・B77から発表。翌年、Jus-Ed主宰のレーベルUnderground Qualityより“Voices Remix Project”と“First Time EP”の2枚をリリース。
根っからのテクノ好きなら必ず知っているシカゴの名門レーベル・Dance Maniaによる2012年発表のデビューアルバム“Nina Kraviz”は、ダンストラックとしては世界最多の枚数を販売した(ドフロアーでも当時はヘビロテでプレイ)。
ニーナのテクノ遍歴は、彼女の故郷イルクーツクにて90年代後半にはじまり、Europa Plusネットワークで電子音楽のラジオ放送を聴いていたもよう。2000年代にはモスクワに移り住んでおり、驚くことに、日中は退役軍人病院で歯科医として働き、金曜日の夜にクラブのレジデントを務めていた。そんな彼女の初来日は2015年、テクノBARドフロアーがオープンして間もない頃。大阪では名村造船所にクラブサーカスさんが招待した。清水寺でDJを披露したこともある。世界で最もブッキングの取れない女性DJとして有名だが、彼女自身が親日家ということもあり、現在は年に1~2回来日している。OCTAVE ONEによる名曲“OUT OF CONTROL”をプレイするあたりが、古株のテクノリスナーをも虜にしている要因だろう。

DJ Amelie Lens(アメリー・レンズ)
ベルギー出身で、ニーナクラヴィッツと同様にモデルとしても活動。この2人はプライベートでも仲が良いようだ。 日本にもすでに数回来日を果たしている彼女だが、毎回チケットは完売。初来日公演は2019年3月にクラブALZARにて。筆者も会場に行ったが凄い熱気で、ダークかつカッコイイテクノサウンドがずしりと体に響いてきたことを今でも鮮明に記憶している。
ハイハットやバスドラを響かせるLiveは、ハードロックさながらだ。イタリアのレーベルLyase RecordingsでデビューEPをリリースして以来、テクノ界に嵐を巻き起こしている。浮力のあるパーカッションと鼓動する低音によって駆動される魅惑的なテクノをプレイする彼女に、今後も注目が集まる。

DJ Charlotte de Witte(シャルロット・デ・ウィッテ)
同じくベルギー出身のDJでプロデューサー。
インスタのフォロワーは2019年10月現在、99万人を超えている。彼女はテクノシーンでは比較的ニューカマーといえるが、妥協のない独自のスタイルを確立しながら、ユニークな作品を発表している。強烈で中毒的、魅惑的なテクノサウンドを作り出し、名門レーベルNovamuteからもリリースしている。
彼女のキャリアは華々しく、BBC Radio 1のエッセンシャル・ミックスに取り上げられたほか、ボイラールーム(世界の凄腕DJによる生配信番組)でもプレイし、DJ MAGのカバー写真に起用されたりもしている。レジデントアドバイザー(世界的クラブミュージックメディア)、MixMag、XLR8Rによる継続的なサポートを受けており、Charlotte de Witteは今一番熱い女性DJかもしれない。
2018年9月に渋谷コンタクトにて初来日を果たしており、あまりの人気に入場規制がかかったとの噂も聞いている。世界レベルのフェスでは、Tommorow Land やAwakeningに出演している。

DJ Peggy Gou(ペギー・グー)
韓国出身の女性音楽プロデューサー・DJで、本名もPeggy Gou。彼女はファッションの勉強のためロンドン留学をした際、テクノに魅了され没頭していったという。そして、移住先のドイツのベルリンを拠点としてDJ活動を開始、2016年からはプロのDJとして音楽作品を発表するまでになる。世界中の様々な音楽フェスティバルやクラブイベントにてダイナミックなプレイを披露して観客を魅了してきた。カラフルでおしゃれな服を見事にコーディネートして会場に姿を現すため、その服装はクラブカルチャー好きの若い女性の注目の的ともなっている。2019年10月現在、フォロワー数117万人を誇るインスタグラムではアイドル的な一面も見せファン層は幅広い。来日は何度かしており、The Star Festivalにも出演している。ちなみに、近年ニーナ・クラヴィッツとのBack2Backもこなしている。
DJ Daria Kolosova(ダリア・コロソワ)
DAR:Kというニックネームでも知られている。ここ数年テクノシーンで重要な役割を果たしている、 ウクライナの首都・キエフ出身のDJだ。
地元のクラブでプレイするだけに留まらず、ヘッドレスホースマン、ロバートディーツなどインターナショナルなDJとチームを組み、キエフやウクライナの他都市でテクノパーティーを定期的に開催している。特定のスタイルにとらわれず、様々な電子音楽ジャンルからトラックを選択し、それらを組み合わせて新しい音楽を作り出している。最近では、ミニマルテクノ界の重鎮であるカナダ出身のリッチー・ホーティンが自身のSNSで、彼女のプレイを気に入っているとコメントしている。近年、名門レーベルであるFunkhaus (ベルリン)、Tresor (ベルリン)、Arena (ベルリン)、Rex (パリ)、Fabric(ロンドン)等からも音源を発信している。
2019年には、DJ・NastiaとのBack2BackをIbizaのIMSパーティーにて披露し、圧巻のプレイをボイラールームで放送し成功させた。2019年.10月現在インスタグラムのフォロワー数は、2万3000人。

DJ Marie Vaunt(マリー・ボーント)
日本とアメリカのハーフである彼女はまだ2017年にデビューしたばかり。力強い倍音を使ったサウンドが印象的な次世代のテクノDJだ。2019年には新譜「ALCHEMY」をビートポートより発売している。2019年11月に初来日を控えている。現在、インスタグラムについては他の女性DJほどのフォロワーはおらず3万人ではあるが、今からチェックしておけば成長過程を見られるかも。